ジメジメとした時期が続きただでさえ不快な梅雨の時期。
その不快感をいっそう増長させてしまうのが、害虫の発生ではないでしょうか。
日本の家屋は気密性が高まったせいか一年中害虫が発生しやすい状況ですが、元々梅雨時のジメジメした時期はダニなどの害虫が特に増加するシーズンです。
できるだけ早く害虫の発生を予防し、適切な対処をすることで快適な生活を送ることができます。
ご家庭でもできる予防と対処法でダニ等の害虫の発生を防ぎましょう。
梅雨時に発生する害虫
まずは梅雨時に屋内で発生する害虫を見ていきましょう。
ヒョウヒダニ(チリダニ)
ダニの代表格と言っても良いほど、人が生息する場所にふつうにいるダニです。
畳・布団・枕・クッション・絨毯・カーペットなどに生息し増加していきます。
人を刺すなど直接の害を加えることはないと言われていますが、死骸を吸い込むことでアレルギーを引き起こします。
角質やフケや垢のほか髪の毛(抜け毛)など人の表皮にまつわるものを食べることからこの名前がついていますが、ホコリも食べてしまいます。
コナダニ
パンケーキミックスやお好み焼き粉を使って調理したものを食べたところ、重篤なアレルギー症状を引き起こすといったテレビ番組を観られた方も多いと思います。
その原因となるダニがこのコナダニです。
コナダニ自体は人の血を吸ったり刺したりはしませんが、粉に混じったコナダニを体内に入れることでアレルギー症状を引き起こします。
食品のほかにカビを食べますし、卵から孵化後10日ほどで成体となり、1日に20個以上の卵を産むなど爆発的に増加します。
ツメダニ
ヒョウヒダニやコナダニなど小型のダニのほか、小さな虫も食べます。
コナダニなどが増えればツメダニも増えるという構図が成り立つほど。
ツメダニは血は吸いませんが刺しますし、非常にかゆくなります。
イエダニ
イエダニとは家の中にいるダニ全般を指すものではなく、イエダニという種類のダニを指しています。
ネズミのほか鳥に寄生し血液を吸って生きているのですが、寄生主であるネズミが死んでしまった場合や大量にイエダニが発生した場合には人の血を吸うことも。
梅雨から夏にかけて太ももの内側など軟らかい部分に刺された跡があれば、イエダニによって刺されて血を吸われた可能性が。
チャタテムシ(本シラミ)
ダニではありませんが梅雨時によく発生する害虫としてピックアップしました。
多湿で薄暗い所を好み、カビをエサとしています。
カビやホコリを好むことから古くなった本の間などに生息していたりもします。
梅雨時のダニの傾向と対策
ダニはとにかく湿気を好みますので、いかに乾燥させるのかが梅雨時のポイントになってきます。
布団などを干す
晴れた日には布団を干しましょうといいますが、実際のところ布団を干したところでダニを駆除することはできません。ただし増殖は抑えることができます。
同様に枕やクッションなども干すことで、ダニの増殖を抑えることができます。
お部屋の換気
晴れた日には窓を開けて換気し、部屋の中の湿気を低下させることも大事です。
特に畳は湿気を溜め込みやすいことからダニにとっては絶好の住みかとなります。
和室の換気を行うことで畳できるだけ乾燥させましょう。
小麦粉などの粉類は密閉容器で保管
小麦粉のほかパンケーキミックスやお好み焼き粉などはダニ(コナダニ)の食料になります。
ダニが入らないように日頃から粉類は密閉容器で保管しましょう。
お掃除
家の中のダニはヒョウヒダニの仲間(コナヒョウヒダニ・ヤケヒョウヒダニ)で8割以上を占めると言われており、布団や枕などのほかホコリのなかに生息していることから、お掃除でホコリの除去の徹底が重要になってきます。
ホコリを吸い取ってダニの住む場所を無くしていきましょう。
ちなみにフケやアカ1gで300匹ものダニが生きていけるとか・・・
掃除機で吸うだけではなく、フローリングワイパーやコロコロなどを使って徹底的なお掃除を!
カビの除去
部屋の隅だったりタンスの裏にカビが生えていませんか?
コナダニやチャタテムシはカビを食べて生きていけますので、カビ退治がダニ退治にも有効になってきます。
カビをはやさないようにするためには、日ごろからこまめな換気で湿気を逃がすようにしましょう。
ダニ駆除方法
ダニって肉眼ではなかなか見つけることが難しく、また掃除機で生きたダニを吸い取ることも現実には難しいです。
ご家庭でできるダニの駆除方法を見ていきましょう。
くんえん剤で部屋全体を駆除
以前は火をつけて煙を出すタイプが主流でしたが、今は水を入れるタイプやノズルを踏んで噴射するタイプが主流です。
また目に見える煙が出ないタイプも発売されています。
くんえん剤を使ってダニを退治するときは、すべての部屋で一斉に使用します。
こうすることでダニが別の部屋に逃げることを防げますし、効果が非常に高まります。
くんえん剤を使い終わったあとは、換気を十分行うとともに掃除機をていねいにかけてください。
ダニなど害虫の死骸を吸い取ることでアレルギーの発生を抑えるためです。
使用前に火災報知器が感知しないようにポリ袋などで覆ったり、テレビやパソコンなどはビニールシートをかぶせるほか、水槽で魚を飼っている方はポンプを止めて密閉するなど準備が必要です。
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スプレーなどで場所ごとに駆除
部屋全体をくんえん剤を使って駆除すればかなりの効果を期待できるわけですが、赤ちゃんや小さなお子さんがいるご家庭や、ペットを室内で飼っておられる場合は使用をためらいますよね。
畳やカーペットに噴射したり突き刺して畳内部へ殺虫成分を届けるタイプ(ダニアースなど)
布団やソファや枕などにスプレーするもので肌への刺激がかなり低い成分の物(ダニアーススプレー ハーブの香り やダニがいなくなるスプレーなど)
布団の下などに設置する小さなシートで、化学殺虫成分を不使用ながら集めて逃がさないダニ取り用のシートなどが市販されています。
生息していそうな場所をピンポイントで狙うため、たとえば家族の中で特定の人だけがダニに刺されているなどの時に用いる方法ですね。
ピンポイントで狙うわけですが、他の場所は駆除していない場合ダニが移ってくることも考えられます。
また駆除の効果は長くても1か月ほどですので、繰り返し駆除を行う必要もあります。
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布団などを干す
先ほども布団を干すと書き、完全な駆除はできないが増殖を抑えることはできると書きました。
実は布団をそのまま干しただけでは思ったほど温度も上がりませんし、湿気も取りにくい。
そして日が当たっている側は良いのですが、当たっていない裏側にダニが逃げて行ってしまうのです。
布団乾燥機も同様で、片面ずつしか熱を加えることができません。
そこで布団を干す時には布団干し袋に入れると効果がぐんと上がります。
色が黒いためにそのまま干すのに比べて布団の温度が10℃近く上がりますし、袋状になっているので布団全体が温まることでダニの逃げ場を無くしてしまいます。
また花粉症の方は花粉対策としても良いですよね。
ただし布団を干し終わった後は必ず掃除機をかけて死んだダニを吸い取ってしまいましょう。
※ちなみに筆者は布団乾燥機につなげて使用する、衣類乾燥袋というものを使用しています。
本来は衣類の乾燥用の袋ですが、布団を折りたたんで袋に入れれば布団全体が温まりますのでダニの駆除ができるのです。
ただし乾燥終了後は必ず掃除機をかけてダニやホコリを吸い込んでください。
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衣類乾燥袋 |
衣類乾燥袋に布団を折りたたんで入れて布団乾燥機を使えばダニ退治に! |
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駆除業者に依頼する
ここまでご家庭でできるダニの駆除方法を見てきました。
くんえん剤タイプならば部屋の隅々までダニの駆除ができそうなのですが、残念ながらクッションやソファーであったり畳の内部に潜むダニには効果がありません。くんえん剤タイプの薬剤は浸透性がないため、内部に潜むダニの駆除ができないのです。
部分ごとの駆除方法だと内部のダニも駆除できますが、潜みそうな部分すべてにスプレーをして回るのもまた大変です。
個人でダニの駆除しようと頑張ってみたものの、思ったほど効果が出なかった……。
害虫駆除業者はそういった方の最後の砦?になるかもしれません。