受験が始まるのは推薦入学などは11月後半くらいからですが、本格的な入試シーズンを迎えるのは年が明けた1月から2月後半。晩秋から真冬という一年で最も寒い時期が入試シーズンとなります。
試験本番の日の寒さ対策も当然必要ですが、それ以上に大切なのが感染症対策ですね。
今はコロナ対策としてマスクや手の消毒は日常的なことになっているのですが、受験生にとって怖いのはコロナだけではありません。試験当日に体調を崩して実力の半分も出せなかったとか、試験を受けることもできなかったなんてことにならないように日頃から対策を立てておくことが重要です。
予防接種だけでは防ぎきれません
この冬は大切な受験がある!
いつもの年にはインフルエンザの予防接種を受けない人でも、受験に備えて接種した人も多いと思います。インフルエンザだけではなくコロナワクチンを接種した人もおられるでしょう。
大切な試験当日に体調を崩して受験できない、そんな心配は払拭しておきたいですからね。
ワクチン接種をしたからこれで大丈夫!と思う方は少ないとは思いますが念のために。
ワクチンを接種したからと言って感染症を完全に防げるというものではありません。インフルエンザや新型コロナに罹患した場合でもあまりひどくならない程度に防ぐ、その程度だと思っておくほうがいいでしょう。
筆者もインフルエンザワクチンを接種したにもかかわらず、インフルエンザに感染したことがありますし、熱も出るし体の怠さだって同じように出ます。ワクチンを受けないで罹患した時と比べれば軽いのかもしれませんが、試験当日に高熱が出るなど受験自体が難しくなることもあり得ます。
ですので予防接種はマスクや手洗いと同じ予防策の一つである、と考えておく方が良いと言えるのではないでしょうか。
ウイルス感染の確率を少しでも下げる予防対策
予防接種(ワクチン)を接種しても完全に感染症を防ぐことができないのは、先ほど説明したとおりです。
ではどのような対策が必要なのかを見ていきましょう。
マスク
マスクに関してはまったく効果がないという意見もありますし、自分が罹患しないためというよりは、周りへウイルスをまき散らさないためという意見もあります。
しかしホコリを吸い込まないようにはできますし、ノドを乾燥から守るという働きもあります。
ノドの粘膜によってウイルスなどを外へ出すという防御機能がありますが、ノドが乾燥するとこの防御機能が働かなくなって炎症を起こし、ノドが痛くなったり、ウイルスに感染して発病することも。ですので受験が終わるまでの間くらいは、マスクでノドをいたわることも大事です。
またウイルスが付着した手で顔を触ることで鼻や口からウイルスが侵入しますが、マスクを着用することで物理的に侵入を防ぐことができます。人って無意識のうちに顔を触っているものですからね。
マスクの表面にもウイルスは付着していますから、付けたり外したりを繰り返さないように、一度外したものは捨てて新しいものを着用するといったことも大事かもしれないですね。もったいないかもしれませんが、大切な受験の前だけでもぜひマスクを何度も使わないようにしましょう。

外出から戻れば手洗いに加えて顔を洗いましょう
今でもお店に入るとアルコールを置いていることがありますが、コロナ禍のときほどあまり利用している姿は見かけませんね。ご家庭でもアルコールによって手指を消毒していたと思いますが、今ではあまり実践していないのではないでしょうか。
筆者宅も玄関先にアルコール消毒液を置いていましたが、今では買うこともなくなりました。
アルコールで消毒までしないにしても、外出先から帰ればまずは手洗いは実行しましょう。それに加えて顔を洗うという行動もぜひ取り入れていきましょう。
マスクのところでも書きましたが、人って無意識のうちに手で顔を触る仕草をしていることが多く、顔にはたくさんのウイルスが付着したままとなっています。せっかく手のウイルスは洗い流したのに顔にウイルスが付着したままでは、無意識のうちに顔を触ることで手にウイルスが付着してしまい、マスクを外していることで口や鼻を手で触ることができるので、感染のリスクが高まるのです。
手洗いとともに顔も洗ってウイルスを洗い流す、感染対策としてはかなり重要なことなのです。
うがい
うがいは効果がない
と言われることがありますが、ウイルスのうち90%近くは口、鼻、のどの粘膜でブロックされることでとどまっていると言われます。
うがいを行って粘膜にとどまっているウイルスを洗い流しましょう。
※うがい薬を使う必要性は特になく、塩素が含まれている水道水で十分です。
またうがいによってのどを潤すことで風邪をひきにくくなるとも言われています。
お部屋の温度と湿度をコントロール
試験が近付いて来ると季節は冬の真っただ中。
お部屋の中は寒くないように暖房器具を使っていると思いますが、特にエアコンの暖房を使っている場合は空気の乾燥に注意しましょう。
また電気ストーブやオイルヒーターは湿度を上げ下げするようなことはありませんので、乾燥が気になる寒い時期は加湿するほうが良いでしょう。
ウイルスって低温で乾燥した空気中では漂いやすくなるために、感染のリスクがどうしても高くなります。室温は20~25℃、湿度は40%以上を目安にコントロールしましょう。
ちなみに石油ストーブ、石油ファンヒーター、ガスストーブなどは燃料を燃やす際に水分も一緒に放出しますので加湿の必要はありません。
※FF式を除く
睡眠としっかりとした食事
免疫力を高めることでウイルスにも負けない体を作ることも大事です。
そのためには運動ももちろんですが、十分な睡眠としっかりと食事をとることが重要です。
受験勉強のために睡眠時間を削って机に向かっている受験生も多いかもしれませんが、睡眠時間は7時間以上は確保したいところ。睡眠時間をキープすることで頭の働きもよくなり、勉強もはかどりますからね。
食事は消化に良く栄養バランスを考えてとることが大事。
保護者の方も大変だとは思いますが、受験勉強を頑張っているお子様のためにぜひ食事で応援してあげてください。
感染性胃腸炎(お腹の風邪)は特に注意
冬場になると激しい下痢や嘔吐の症状をもたらす感染性胃腸炎(お腹の風邪)
有名なのはノロウイルスですが、その他にも下痢や嘔吐の症状もたらすウイルスはたくさんあります。
ノロウイルスは牡蠣などからも感染しますが、人から人へも感染しやすいです。
ごく少量のウイルスでも発症する感染力の強さには注意が必要です。
※インフルエンザなどとはちがい咳では感染しません
家庭内でよくある事例では、嘔吐物を処理したもののフローリングの目に少し残っており、乾燥することでウイルスが空気中に舞い上がって手の触れるところに付着し、手に付いてウイルスが口や鼻から侵入することも。
ノロウイルスはアルコール消毒では死滅しません。
ですので必ず石鹸を使ってよく手を洗い、水で洗い流してください。
また受験生だけではなく一緒に住んでいる方も、外出先から戻ったときには必ず石鹸で手を洗ってください。
牡蠣だけではなく、生ものを食べることは一緒に住んでいる方そろって控えましょう。
とにかく感染力が強いため、同居の方一人が感染すると次々に感染することが多々あります、同居のみなさんで協力しましょう。